パフォーマンスを高めるために

最も最適で効率的な身体の使い方をすれば、エネルギー消費量が抑えられ、疲労による機能低下が引き起こす怪我のリスクを減らし、持っている力を最大限に発揮できます。そこで役立つのが、一連の動きを行うタイミングとリズムを捉え、張力の均衡状態を利用することです。

《タイミングとリズムの調整》

運動は順番につながって行われる一連の動き(シークエンス)からなっています。例えば、テニスのサーブだったらボールを空中にトスしてラケットを振り上げて打ち込むまで、跳躍だったら助走して踏み切って飛び上がって着地するまで、逆上がりだったら脚を蹴り上げて身体を鉄棒に引き寄せて回転し地面に着地するまでが一連の繋がったシークエンスです。

動作を行う際のリタイミングとリズムとその調整の仕方によって一連の動きの通り道は左右されます。従って、身体の各部分を順番にタイミングよく動かすことで、余計な力を使わずに最適な身体の使い方、効率良い身体の使い方ができるようになるので動作が楽になります。逆に順番通りにいかなかったり、タイミングがずれると流れが止まってしまったりバランスを崩して、違うところを使って筋肉や関節に余計な負担がかかり、最大限に力を発揮できなくなります。例えば高く飛ぼうとか上手く回転しようと思ってそこにばかり意識が向いて、流れが途切れてばらばらになってしまった時等です。そこに到達するまでのプレパレーションの助走や踏切りが場当たり的になるとリズムがずれて勢いが足りず失速したり、勢いがつき過ぎて振られたりします。

つまりどのシークエンスにも動きの順番とタイミングがあり、その一連の流れのリズムにあわせて身体を動かせるように全身の動きの調整力(コーディネーション)を高めていくと、自分の最良のパフォーマンスを引き出すことにつながるというわけです。

そこでその調整力を高めるのにジャイロトニックを活用することができます。ジャイロトニックのエクササイズは様々な運動面での動きを包含しているので、重力と共に抵抗力や補助的な力の作用が働きます。そのため異なる速さ、抵抗力・補助力の大きさ、動きを組み合わせたエクササイズを通して作用する力と動きを色々と変えることにより運動神経を覚醒させ、どんな動きの変化にも対応して瞬時に身体を調整できる運動神経を養うのに適しています。

《張力の均衡》

張力とは引っ張った方向の力とそれに対して引っ張り返す方向の力の両方のことをいうのですが、一つの方向に引っ張ると引っ張り返す力が釣り合うまで伸びて、両方の力が拮抗したところで動きが止まり、張力がバランスして安定している状態になります。

この張力の均衡が取れている状態を身体に当てはめて考えると、全ての関節のどの面に対しても、あらゆる運動面や重力との関係性において均等な強さと均等な柔軟性が働いている理想的な状態を作ることができます。ジャイロトニックでいうナロウイングや脊柱の伸長による減圧(ディコンプレッション)等の、引っ張り合っている状態の時のコントラストやオポジションがこれに該当します。

張力が均衡している状態を作って、関節への衝撃を分散させれば各関節にかかる負担が少なくなり、関節の詰まりや圧迫感から解放され、関節をもっと巧みに動かせるようになる結果、動きが滑らかになります。従ってシークエンスが分断されることなくスムーズにでき、張力の均衡状態を維持して動くと身体が受ける衝撃をうまく緩衝して身体への負担を減らし、安定性を得られるのです。

これはダンスや組体操や乗馬のように人や生き物と一緒に動く場合も共通しています。相手とタイミングとリズムを音楽や呼吸で合わせ、推進力や張力の均衡を利用するとかかる重さや力の負荷を分散させられて、お互い楽に動きやすくなります。

音にずれたり、息が合わなかったり、ボールが飛ばなかったり、何かやりにくいと感じる苦手な動きがある場合や同じところを繰り返し痛めたりしている場合はリズムとタイミングのコーディネーションや張力のコントラストをという視点からシークエンスの流れを見直してみましょう。

eyes guide the direction

intension leads the movement

rhythm coordinates the dynamics

that’s when everything flows at ease

with finesse and resilience