全身をつなげて連動させるしなやかな強さ

筋肉を固めて使うと力も入りやすく、やった感があり、外側の筋肉がついてよさそうな気がしそうですが、ガチガチに身体を固めた状態で動かそうとするとその動作をするのに必要な部分以外の余計なところにも力が入り、柔軟性が失われて思ったよりも力んでしまって上手く動けなくなります。そうすると無理な姿勢や動作になって身体に負荷がかかり、痛みや凝りやけがのリスクが高まります。

固めた身体はアウターの筋肉が優位に働き、縮まって緊張している状態なので、いざ動かそうとするとロックが掛かったように動きが制限されて本来持っている力を発揮しにくくなります。従って固めるのではなく、インナーが適切に連動してつながって動かせる状態まで身体を緩めて他のところに無駄な力が入らないようにすれば必要最小限の力で動くことができます。

身体を緩めるというのは余計な力を抜いてロックを外すことなので、力を全部抜いて落ちてしまうのとは違います。しかしながら、常に固めて身体を使うことが習慣的に当たり前になっていると、最初はどこの力をどう抜いたらいいのかがなかなかピンとこなくて、力みが全然取れなかったり、逆に完全に脱力してしまって、使いたいインナーの筋肉を始動させることができない場合がよくあるので、身体を使えている感じがしなかったり、効いていない感じがすると思います。

そこでポイントとなるのが、出力100%でガチガチに固めるか、0%で全く力を入れないかというようなall-or-nothing状態ではなく、不必要な力は抜いて必要な力だけ入るようにするという中間の抜き加減と抜き方を知ることです。照明で例えるとすると、オンかオフのスイッチだけではなく、実はオンとオフの間もハイビームからロービームまで明るさの調整ができるディマーライトのような調光ツマミがあって、自分で度合をコントロールすることができるということです。

これは頭で理解できても実際に身体で感じないとどういうことなのか腑に落ちないので、それを体感して把握できるまでかかる時間は個人差がかなりあると思います。今自分の中にまだ具体的な実感のない感覚を探っていくのは非常にはがゆいと思いますが、そこに意識が向けきれていないだけで誰もができることなので、辛抱強く探求を続けていただけたらと思います。そのために私も様々な補足やアレンジを工夫していきますので、全身をつなげて連動させるためのしなやかな強さを一緒に目指しましょう。